地鎮祭

昨日、大安の日、晴れ渡る青空の下、地鎮祭を行いました。

地鎮祭は土地を鎮め、工事の安全と住む人の健勝を祈る儀式です。

クライアント、設計者、施工者が、建物の完成に向けて気持ちをひとつにするという意味でも、大事な儀式だと思います。

砂を盛り、設計者が鎌を入れ、クライアントが鍬を入れ、施工者が鋤を入れます。

クライアントご夫婦の晴れやかな笑顔が印象的でした。

いよいよ着工です。
| やなぎさわ建築設計室 | 建築 | 15:26 | comments(0) | - |
映画「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」に学ぶこと
映画のプログラム表紙
レンブラント、フェルメールなどを所蔵する有名なアムステルダム国立美術館が、トラブル続きの改築工事で何年も閉館したままになっている。館長を始め、学芸員、建築家、市民団体など400人以上の関係者が、国立美術館の増改築問題に巻き込まれ、その騒動を映し出すドキュメンタリー映画である。

建築、自転車、アート、まちづくり、市民参加、オランダなど、私の気になるキーワードが豊富なこの映画は、知人の強い薦めで鑑賞したが、考えさせられることが多かった。

コンペで選ばれた設計案に対し、動線計画について市民の反対運動が起き、増築棟の高さが問題視された。結果、いろいろな立場の人の意見を採り入れる形となり、コンペで評価されたはずの要素が薄まった設計案となってしまった。

美術館関係者、建築家、サイクリスト、市民、皆それぞれがある意味で正論を真剣に主張する。しかし、すべての人の意見を聞いていると、コンセプトのぶれた凡庸な建物ができてしまうこともまた事実なのだ。「船頭多くして船山に登る」だ。

諸々の問題をクリアしていよいよ入札となった段階で、今度は予定価格を大幅にオーバーしてしまい、再び頓挫してしまう。

こうした問題は、この映画に限ったことではない。建築に携わる人間は、多かれ少なかれ直面することなのだ。

印象に残る言葉があった。
「時間が延びてしまうことによって、新しい美術館の改築、展示への情熱が失せてしまう。」
という館長の感想だ。逃げることなくモチベーションを高く保持し続けることは難しい。

しかし建築家、都市プランナーと呼ばれる人たちは、決して逃げたり、あきらめてはいけない、と私は思う。建築は難問題の連続だ。それでも、できたときの喜びはそれだけまた大きい。
| やなぎさわ建築設計室 | 建築 | 17:37 | comments(0) | - |
丸の内はかくも美しくあったか
明治時代の丸の内
かつての丸の内の風景だ。高さが50尺(約15m)に制限されていた明治時代のころの写真だ。都市景観はかくも美しくあったのかと,ため息をつかずにはいられない。

この高さ50尺の三菱2号館は、1934年に岡田信一郎の設計で高さ100尺の明治生命館に建て変わり、さらには2005年末、高さ485尺(約150m)に建て変わる。計画は、重要文化財による基準法適用除外や、総合設計による容積割り増しなど複雑多岐にわたる緩和を受け、容積はふくれあがった。

それがさらに2002年の小泉政権による都市再生特別措置法によって、丸の内は特定街区に指定されて、都市改造に拍車がかかっていったのだった。「壊して建てなきゃ損、損!」といったところだろうか。

JIA再生部会+保存委員会の勉強会に使われていた一枚だが、建物を制限する法律がいかにまちを作り替えてきたかがよく分かる貴重なレクチャーだった。
| やなぎさわ建築設計室 | 建築 | 23:01 | comments(0) | - |
藤沢周平記念館
s-鶴岡ツーリング018.jpg

自転車の旅にちょうど良い大きさのまちが山形県鶴岡市である。月山、鳥海山、金峰山といった山々に囲まれた庄内平野は、起伏も小さく、ツーリングには最適だ。

その鶴岡に作家の藤沢周平記念館ができた。小説にしばしば登場する海坂藩は故郷の庄内藩がモデルである。建物は城郭のあった鶴岡公園に立地し、周囲の緑と溶け込んでいる。展示は、東京から移築したという書斎が目を引く。

いたずらに、観光目当てのまちづくりをしないのが鶴岡です、とは長くまちづくりに携わっている城下町トラストの早坂氏の言葉だ。確かに、現在の鶴岡の魅力は、各時代に作られた名建築によって作られている。藤沢周平記念館もまた、鶴岡の新たな観光資源になるに違いない。
| やなぎさわ建築設計室 | 建築 | 20:24 | comments(0) | - |
家具製作中
大工
家具製作中

昨日は施工中の住宅で、現場打合せでした。

主に家具の打合せです。

家具は大工さんが現場で製作する場合と、家具屋さんが工場で製作したものを搬入・取付する場合があります。

一般的には家具屋さんの方が、大工さんよりも若干割高。

それぞれ向き・不向きがあるのですが、今回の現場では、工期が短いことと工事費を抑える工夫のひとつとして、大工さんにお願いしました。

大工さんは現場に合わせながら、ぴったりの寸法で作ってくれます。

設計図面を元に、その場でやり取りをしながら詳細を詰めました。

仕上がりが楽しみです。

| やなぎさわ建築設計室 | 建築 | 14:45 | comments(0) | - |
団地再生
エレベーター増築部分
UR都市整備公団のひばりが丘団地ストック再生実証試験住宅を見学した。

昭和35年建設の老朽化した4階建て団地3棟を、既存躯体を残しながら現代のニーズに対応した住宅へと改造する試みである。

梁せいを小さくしたり、最上階を撤去する減築、隔壁を抜いた2戸1住宅、RC床を撤去したメゾネット住宅など、様々な技術を検証している。

改造前の住戸も残されているのだが、比較して見ると、その劇的な変わりように感動を覚える。

団地の老朽化は各地で問題になっている。技術とデザイン力に、様々な可能性が秘められていると感じた。
| やなぎさわ建築設計室 | 建築 | 16:09 | comments(0) | - |
セシル・バルモンドの世界
Hedge
東京オペラシティで開催中の「『エレメント』構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」の展覧会に行ってきた。

「フラクタルは無限のスケールを持つ」と語るバルモンドは、自然の美の中に秩序を見いだし、それを幾何学へと発展させ有機的な建築を造り出す。

今回の展示で感動したのは、X型のプレートとチェーンのみで構成された「Hedge」という構造オブジェだ。

単体では自立しないチェーンが、プレートを組み合わせることによって、柱のように自立する。重力を感じさせない軽やかな造形だ。

2歳の息子は、迷路のような不思議な空間に興奮して、ぐるぐると歩き回っていた。

何気なく歩かせていたが、繊細な構造に気づいた時は冷や汗タラリ。一カ所でも壊したら、全体がグシャリといってしまう。壊さなくて良かった・・・。

| やなぎさわ建築設計室 | 建築 | 02:07 | comments(0) | - |
柏戸銀寿し竣工
柏戸銀寿し1柏戸銀寿し2

山形県鶴岡市の老舗寿司屋「柏戸銀寿し」の新しい店舗が竣工しました。

カウンターは寿司職人の舞台です。

カウンター内部はすっきりとシンプルなデザインとし、お寿司が美味しく映えるハロゲン照明を採用しました。

また、板場とお客様の目線の高さを近づけるように、板場の床を下げ、コミュニケーションのとりやすさを追求。

格子の可動スクリーンも、きれいに仕上がりました。

全国的に有名な「二枚目ちらし」はもちろん、握り寿司も最高です。
| やなぎさわ建築設計室 | 建築 | 14:26 | comments(0) | - |
都市住宅学会業績賞
広場よりクオレハウスを見る
当事務所が設計監理を行った『鶴岡銀座・元気シニア住宅 クオレハウス』が、都市住宅学会業績賞を受賞することとなり、先日通知が届きました。

『クオレハウス』は山形県鶴岡市に竣工した高齢者向けの賃貸集合住宅です。

鶴岡市が推進する都心居住の先駆的なプロジェクトで、鶴岡銀座通りとのつながりや、開かれた広場、シニアの自立した生活をサポートする豊かな住空間に配慮して設計を行いました。

春に竣工して約半年。入居者の方々の活き活きとした生活ぶりや、地域の方々にも親しまれている広場や蔵の様子を見聞きして嬉しく思っていたところに、受賞通知の喜ばしい知らせです。

様々な困難を乗り越えながら、このプロジェクトを実現させたお施主様、プロジェクト推進チームの皆様、鶴岡市役所の皆様、プロジェクトを支え竣工まで辛抱強く待ってくださった入居者の皆様、たくさんの顔が浮かびます。

みんなが積み重ねた努力が、評価された結果だと思います。

11月28日には、名古屋で受賞式です。
| やなぎさわ建築設計室 | 建築 | 15:00 | comments(1) | - |
京都 枯山水
大徳寺大仙院大徳寺龍源院の枯山水
JIA大会での司会という任務を終え、久しぶりに京都を見て回った。
中でも訪れたかったのは、枯山水の名庭だ。

雑然とした東京で長いこと仕事に追われていると、心をリフレッシュしたくなるものだ。

初めて訪れた大徳寺は、20を超える寺院が建つ大規模な寺だ。

公開されている4寺院のうち2つだけ見てまわったが、龍源院の庭園を見ただけでも満足であった。

波状に線の引かれた白砂、ごつごつとした岩、丸い緑の苔。葉っぱひとつ落ちていない庭園には、緊張感が漂う。

濡れ縁に腰を下ろして、ゆっくりと深呼吸していると、俗世と離れた静かな世界へとワープしたような気持ちになった。
| やなぎさわ建築設計室 | 建築 | 23:46 | comments(0) | - |