やなぎさわ建築設計室の日誌
建築・まち・旅・日々の生活
2010.07.05 Monday
丸の内はかくも美しくあったか

かつての丸の内の風景だ。高さが50尺(約15m)に制限されていた明治時代のころの写真だ。都市景観はかくも美しくあったのかと,ため息をつかずにはいられない。
この高さ50尺の三菱2号館は、1934年に岡田信一郎の設計で高さ100尺の明治生命館に建て変わり、さらには2005年末、高さ485尺(約150m)に建て変わる。計画は、重要文化財による基準法適用除外や、総合設計による容積割り増しなど複雑多岐にわたる緩和を受け、容積はふくれあがった。
それがさらに2002年の小泉政権による都市再生特別措置法によって、丸の内は特定街区に指定されて、都市改造に拍車がかかっていったのだった。「壊して建てなきゃ損、損!」といったところだろうか。
JIA再生部会+保存委員会の勉強会に使われていた一枚だが、建物を制限する法律がいかにまちを作り替えてきたかがよく分かる貴重なレクチャーだった。
2010.05.24 Monday
藤沢周平記念館

自転車の旅にちょうど良い大きさのまちが山形県鶴岡市である。月山、鳥海山、金峰山といった山々に囲まれた庄内平野は、起伏も小さく、ツーリングには最適だ。
その鶴岡に作家の藤沢周平記念館ができた。小説にしばしば登場する海坂藩は故郷の庄内藩がモデルである。建物は城郭のあった鶴岡公園に立地し、周囲の緑と溶け込んでいる。展示は、東京から移築したという書斎が目を引く。
いたずらに、観光目当てのまちづくりをしないのが鶴岡です、とは長くまちづくりに携わっている城下町トラストの早坂氏の言葉だ。確かに、現在の鶴岡の魅力は、各時代に作られた名建築によって作られている。藤沢周平記念館もまた、鶴岡の新たな観光資源になるに違いない。
2010.03.11 Thursday
団地再生

UR都市整備公団のひばりが丘団地ストック再生実証試験住宅を見学した。
昭和35年建設の老朽化した4階建て団地3棟を、既存躯体を残しながら現代のニーズに対応した住宅へと改造する試みである。
梁せいを小さくしたり、最上階を撤去する減築、隔壁を抜いた2戸1住宅、RC床を撤去したメゾネット住宅など、様々な技術を検証している。
改造前の住戸も残されているのだが、比較して見ると、その劇的な変わりように感動を覚える。
団地の老朽化は各地で問題になっている。技術とデザイン力に、様々な可能性が秘められていると感じた。



